ロレアルが切り拓く化粧品の未来
化粧品業界のパイオニアであるロレアルが、2023年12月8日から10日に開催された第3回日本化粧品技術者会学術大会で、3つの新しい研究成果を発表しました。本大会は、化粧品技術者のための国内最大級の学会であり、最新の研究成果が多くの専門家によって発表され、議論が交わされます。
持続可能な次世代クレンザー「Glyco-san」
ロレアル リサーチ&イノベーション ジャパンが発表した研究の一つは、「Glyco-san」という新技術を使用したクレンザーについてです。この技術は、バイオ由来のキトサンとラムノリピッドを利用し、洗浄力と肌への有効成分の保持を両立させています。それだけでなく、泡の安定性も向上させ、ユーザーにとって使いやすい洗浄剤の開発に成功しました。持続可能性に配慮したグリーンケミストリーの原則に基づいており、化学物質への依存を抑えた点も高く評価されています。
皮膚を感じるメイクアップ
次に発表されたのは、皮膚の保湿とハリを同時に実現する新しい化粧下地に関する研究です。ポリイオンコンプレックス(PIC)を用いたこのアプローチにより、油分コントロールと保湿効果を両立し、使用することで皮膚の滑らかさや弾力性が向上します。臨床試験でもその効果が証明され、一日中続くマットな仕上がりを実現しています。
脳波で見るヘアカラーの影響
最後に、ヘアカラーが消費者の心理に与える影響を神経生理学的手法で分析した研究も注目を集めました。皮膚の不快感や匂いによるストレス反応をEEGで測定し、アンモニア含有製品と無配合製品の反応の違いを明らかにしました。これにより、消費者が認識していない感情の変化も可視化され、今後の製品開発に向けて重要なデータが得られました。
ロレアルの研究と持続可能性の取り組み
ロレアルの研究開発は、単なる製品開発にとどまらず、環境や社会に対する意識も高めています。企業の基盤には「美」を通じて持続可能で倫理的な未来を創造する姿勢があります。これからも、ロレアルはビューティーテクノロジーを推進し、革新的な研究を続けていくことでしょう。
このような革新は、我々の美に対する考え方を根本的に変える可能性を秘めています。今後の化粧品業界がどのように進化していくのか、ますます楽しみです。