がん患者の外見をサポートする新サービス「Nagomi time」
がん治療を受ける方々にとって、大きな苦痛となるのが外見の変化です。株式会社ファンケルが1月20日からサービスを開始した「Nagomi time」は、その悩みを少しでも和らげるための新たな情報源です。このサイトは、がん治療中の外見の変化やそのケア方法に関する包括的な情報を提供しています。
アピアランスケアの現実
厚生労働省の調査によれば、がん患者の約6割が「治療によって外見が変化した」と回答しています。特に、「髪」「まゆ毛」「まつ毛」の脱毛は、身体的な痛みやかゆみよりも辛いとされています。それだけでなく、治療後の社会生活や周囲の目もまた、患者にとって大きなストレスとなるのです。これが、アピアランスケアのニーズを高める要因となっています。
患者自身が外見の変化に備え、心の平穏を保ちながら治療を進めるためには、実際に必要な情報が不可欠です。調査では、約3~5割の患者が頭髪やスキンケアに関する情報を必要としているが、得られなかったと答えています。外見に対する知識が乏しいと、その対処が遅れ、結果として患者のQOL(生活の質)が下がってしまう恐れがあります。
「Nagomi time」の概要
ファンケルが提供する「Nagomi time」は、がん治療中の人々の外見に関する悩みを軽減するためのサイトです。このサイトでは、カラーリングやカット、スキンケア、爪のケア方法、さらには助成金制度など、がん患者が自分らしく日常生活を送るために必要な情報が網羅されています。医療の専門家による監修もあり、信頼性の高い内容となっています。
「Nagomi time」が目指すのは、ただ外見改善の情報を提供することだけではありません。他企業や医療機関とも連携し、これまでに解決されてこなかった課題に取り組むネットワークを構築していきます。
今後の展望とプロジェクトの背景
本プロジェクトは、2022年12月から始まったキリンホールディングスが中心となるもので、がん患者が自らの外見に自信を持てる環境を創出することを目的としています。協和キリン株式会社が持つ専門知識も活かされており、情報提供の質を高めています。
「Nagomi time」は、がん治療中の方々が抱える外見の変化という現実に対して真正面から向き合い、ポジティブな生活を送るための力となるでしょう。これからも、新たな価値提供に努め、がん患者のアピアランス(外見)ケアに関する課題解決に向けて、より一層の努力を続けていきます。