山形県遊佐町の丸もち文化を受け継ぐ新たな取り組み
山形県の庄内地域に位置する遊佐町は、古くから丸もち文化が根付いています。生活クラブ事業連合は、その伝統を引き継ぐために新たに「ゆざのチビちゃん丸もち」という商品を2025年3月から扱うことになります。この取り組みは、地域の食文化を守り、持続的に育てていくための新たなローカルSDGs事業として注目されています。
「ゆざのチビちゃん丸もち」の詳細
「ゆざのチビちゃん丸もち」は、小ぶりな丸もちで、約200g(約20個入り)で585円(税込)という価格設定。遊佐町で栽培されるもち米「でわのもち」を使用しており、焼いたり煮たりして楽しめる一品です。製造は、廃校となった旧藤崎小学校の校舎を活用した新工場で行われるため、地域の営みとも密接な関係があります。地域住民の交流の場にもなる工場は、ただの製造拠点にとどまらず、地域社会における重要な役割を果たします。
生産者の思いと地域の未来
新たに設立された株式会社鳥海風土が丸もちの生産を担いますが、その代表取締役社長である奥山仁志さんは、遊佐町のもち米を守るための挑戦を続けています。「うちの田んぼで育ったもち米で作ったお餅を、地域の人たちに提供できる場所を作りたい」との思いから、生活クラブとの協力を通じて供給を続ける決意を固めました。彼は、地元の資源を最大限に活用することで、地域経済を活性化し、次世代へ文化をつなげることの大切さを強調しています。
丸もちと地域の文化
お餅には、角もちと丸もちの2種類がありますが、地域によってその文化が異なります。庄内地域では、丸もちが主流であり、江戸時代から地域の人々に愛されてきました。これは、「北前船」を通じて西日本からの文化が広がった影響とも言われています。生活クラブは、1970年から庄内地域の片隅で丸もちを取り扱ってきましたが、近年の生産者不足や工場の老朽化により、その継承が危ぶまれる状況でした。それゆえに、今回の新たな取り組みは、地域のアイデンティティと文化を守る上で必要不可欠なものと言えます。
地域とともに育む餅作り
今回取り扱う「ゆざのチビちゃん丸もち」は、生活クラブの店舗「デポー」でのみの販売となる予定です。地域の人たちが手作りしたお餅を通じて、遊佐町の食文化を全国に届けることを目指しています。これは、地域の人々だけでなく、全国の組合員にとっても大きな喜びとなります。
未来のビジョン
奥山社長は、安定して丸もちを製造できるように努め、つきたてを楽しめる場所を作りたいと語っています。将来的には、製造数量を増やし、全国の生活クラブ組合員にまで届ける計画も進行しています。遊佐町の旧校舎での製造は、単に食品を作る przestrzeń ではなく、地域の交流を深め、新しいカルチャーを創造するための起点となるでしょう。
このように「ゆざのチビちゃん丸もち」は、地域の人々の絆を深め、文化を守るための新たなシンボルとなることが期待されています。私たちもその取り組みに参加し、一緒にこの文化を楽しみ、支えていきましょう。