船舶産業を支える新技術の実証事業がスタート!DX化で省人化を実現
船舶産業を支える新技術の実証事業がスタート!
国土交通省が新たに発表した『船舶産業の省人化・効率化を図る技術の開発・実証事業』は、船舶建造における人手不足を解決するための重要な一歩です。この新たな取り組みでは、ロボットや機械が人間の手の代わりに複雑な作業を実施し、効率的に作業を進められるような技術、いわゆる『DXオートメーション技術』の開発・実証が行われます。
船舶産業の現状と課題
昨今、世界中で船舶の建造需要が高まっており、競争が日増しに厳しくなっています。その一方で、日本国内は人口減少が進んでおり、特に船舶産業においては労働力不足が問題となっています。将来的にカーボンニュートラル船などの新たな要求に応えるため、こうした社会変化に適応した効率的な建造体制が必要不可欠です。
DXオートメーション技術の開発支援
国土交通省は、このような背景を受けて『DXオートメーション技術』の開発・実証事業に対する支援を決定しました。この技術は、船舶や関連機器の製造工程において、ロボットや機械が人間による複雑な作業を代わりに行うことで、作業の省人化や工数削減を実現するものです。
採択された事業の詳細
今回、令和7年1月22日から2月27日までの期間で募集が行われ、審査を経て7件の事業が採択されました。以下に、その事業内容を簡単にまとめます。
1. 川崎重工業株式会社
- 船舶建造における配管製造の生産データ収集システムの高度活用とデジタルプラットフォームとの連携による最適化。
2. 京浜ドック株式会社
- 流体テクノ株式会社と連携し、海上試運転時の計測業務をDX化。
3. 株式会社神戸機材
- 舶用エンジンの断熱材の現場寸法測定及びCADへのデータ移行自動化システムを開発。
4. ジャパンマリンユナイテッド株式会社
- 新燃料タンクの防熱吹付オートメーション技術の開発。
5. 株式会社新来島どっく
- 溶接ロボットの現場適用を進める事業。
6. 株式会社名村造船所
- 船舶の小組立工程を自動化するための上位ティーチングシステムの開発。
7. 眞鍋造機株式会社
- 大型ワーク向けの塗装ロボットシステムを開発。
これらのプロジェクトは、船舶産業の高効率製造体制を構築する上で、大きな役割を果たすことが期待されています。加えて、ロボット技術を活用することで従業員の負担を軽減すると同時に、生産効率を向上させることが見込まれています。
今後の展望
船舶産業のDX化は、日本だけでなく世界市場での競争力を高めるためにも重要です。国土交通省は、本事業を通じて新たなイノベーションを促進し、持続可能な船舶産業の発展を目指しています。これからも注目を集めるこの取り組みが、どのように形になっていくのか、期待が高まります。